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展覧会注目の一品【5】 再起の願い神に託し - 能面 尉

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裏側に「所願円満成就」と記された観世十郎元雅寄進の面

能面 尉

  •  国重要文化財
  •  室町時代(1430年)
  •  天河大弁財天社蔵
  •  縦21.2センチ、横15.1センチ

 

 南北朝の争いが進み、能楽師・世阿弥のおいにあたる音阿弥が将軍に引き立てられたことで、南朝方の世阿弥は室町幕府から迫害を受け、演能ができなくなったといわれる。

 

 天河大弁財天社(天川村)所蔵の「能面 尉(じょう)」は、世阿弥の息子、観世十郎元雅が寄進した面。面の裏側には「所願円満成就」の書が記されており、世阿弥と元雅の「再起したい」という願いが芸能の神である天河神社へ託されていると伝わる。

 

 表面は濃い黄地彩色で、色あせている箇所がある。少し悲し気な表情からは、世阿弥の苦悩が伝わってくるようだ。

 

 歴史の背景を想像できる貴重な面だ。

 

(伊藤波子)

 

◆メモ

 県立美術館「仮面芸能の系譜ー仮面芸能のふるさと奈良ー」で出品中。11月12日まで。

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