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展覧会注目の一品【4】 偶然の「景色」楽しむ - 焼締一重口水差(銘 碧潭)

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焼成時、偶然的に現れた模様を楽しむ碧潭

焼締一重口水指(銘 碧潭=へきたん)

  •  桃山(〜江戸)時代(16〜17世紀)
  •  寧楽美術館蔵

 

 備前焼のお茶道具の水差し。備前焼は「日本六古窯」のひとつで岡山県備前市伊部地区が主な産地。

 

 釉薬をかけず高温で焼き原始的なやきものの美を見出した作品。中央の流れたような模様は、窯の中で高温の灰をかぶることで意図せず生み出されたもの。口を下にして窯に入れている。

 

 茶道の世界では、焼成時偶然的に現れた模様を「景色」と呼び、鑑賞の見どころとする。模様が見えるよう正面を向けて置き、会話を楽しむのだという。

 

 どのような「景色」が見えるかは、窯から取り出してみないとわからない。人の手が及ばない奇跡の模様の鑑賞には自然を眺めるような風情がある。

(伊藤波子)

 

 ◆メモ

 名勝依水園内寧楽美術館「やきもの用語実見展」で出品中。12月24日まで。

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