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展覧会注目の一品【6】 丁寧に神と仏を描く - 春日本迹曼荼羅

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十の祭神と本地仏を示した曼荼羅

春日本迹曼荼羅(かすがほんじゃくまんだら)

  •  国重要文化財
  •  鎌倉時代(13〜14世紀)
  •  絹本著色
  •  宝山寺蔵

 

 春日大社(奈良市)と摂社に祭られる十の祭神、それぞれの本地仏(ほんじぶつ)を示した曼荼羅(まんだら)。仏が人々を救済するために神の姿となって現れたという神仏習合を表した本地仏が、ここまで整理された図は珍しい。

 

 春日社や摂社の神々の縁起などを記した「古社記断簡」を元に描かれたとされ、若宮の本地仏は聖観音となっている。

 

 人の姿をした神々にとって、雲の上に描かれた本地仏はなかなか会えない存在として捉えられていたとみられる。衣服の金泥、銀泥によるぼかしや彩色文様が丁寧に施された色鮮やかな一品。(伊藤波子)

 

 

◆メモ

 奈良国立博物館の特別陳列「おん祭と春日信仰の美術―特集 春日の御巫(みかんこ)―」で出品中。2024年1月14日まで。

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