国原譜

「お水取り」の名で親しまれる東大寺二月…

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 「お水取り」の名で親しまれる東大寺二月堂の伝統行事「修二会(しゅにえ)」。奈良時代の天平勝宝4(752)年から1度も途絶えることなく続き、今年で1274回目を迎える。

 

 近年、この「不退の行法」が途絶えかねない危機が起った。新型コロナウイルス感染症の流行拡大だ。

 

 「練行衆」と呼ばれる行にこもる11人の僧侶は前行も含めて約1カ月間、共同生活して精進潔斎する。本行は二月堂内陣の狭い空間で行われるため、一人でも感染すると瞬く間に広がってしまう。

 

 また、不特定多数の参拝者が集まる「お松明」の拝観や堂内の局での聴聞などでも感染拡大の恐れがあった。そのため、寺では2021年以降、県立医大の専門家にも助言も得ながらが感染対策に取り組み、一部拝観制限も行った。

 

 幸い大きな感染拡大も起らず、昨年から拝観制限を緩和。今年は拝観時のマスク着用も求めないという。

 

 ただ、多数の人が集まるお松明は安全面を配慮し、状況に応じて人数制限を実施する。不退の行法が途絶えないように、参拝者にも自制が求められる。(法)

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