きらびやかな菩薩様ら、極楽と娑婆を一往復 奈良県葛城市の当麻寺で練供養会式

当麻寺(奈良県葛城市当麻)で14日、寺ゆかりの中将姫を極楽浄土に導く様子を再現した「練供養(ねりくよう)会式」が営まれ、詰めかけた多くの参拝者は幻想的な伝統行事を堪能した。
金色の面ときらびやかな衣装をまとった菩薩役らが極楽浄土に見立てた本堂に登場。一行はこの日のために境内に架けられた来迎(らいごう)橋をゆっくり進み、この世を表す娑婆(しゃば)堂へ。ハスの花をかたどった台に中将姫の像を乗せ、再び本堂に戻った。
中将姫は同寺の本尊「綴織當麻曼荼羅(つづれおりたいままんだら)」=国宝=を一夜で織り上げたといわれ、その生涯は文楽や歌舞伎などの題材となり、今なお語り継がれている。花の寺としても知られ、例年今月下旬から5月上旬にかけボタンの花が見ごろを迎える。