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音羽山観音寺後藤住職の花だより - 冬の空気に入れ替わった観音寺

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参拝者を見送る住職

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 年の瀬も近づいてきた12月中旬。すっかり冬の空気に入れ替わった奈良県桜井市の音羽山観音寺では、お葉付きイチョウも見ごろの時期を終え、落ちた葉が黄色いじゅうたんのように境内を彩っています。後藤密榮住職が石油ストーブをつけて迎えてくれました。

 

 「この時期の花はツバキぐらいかしら」

 

 無量庵の縁側から白い花が咲くツバキの木が見えます。

 

 「その隣に赤い花が咲くツバキがあるんだけど、勘違いしたのか、この間咲いていたわ」

 

 本来3月から4月ごろに咲くそうです。

 

 「今年の夏は日差しが強かったらからか、ぼとぼとつぼみが落ちたの。だからあまり咲かないかもね」

 

 気候変化の影響は標高600mの観音寺にも現れているようです。

 

 ツバキといえば、花がボトリと一気に落ちるイメージですが…。

 

 「このツバキは八重だからか、なかなか落ちないのもあるのよ。バラバラに落ちて、茶色くなっても残ってるのよ」

 

 ツバキにもいろいろあるんですね。ピンク色にかわいらしく咲いている「西王母」もオサムの近くにあると教えてもらいました。

 

 住職の庭にずらりと並ぶプランターも、多年草は冬を越す準備に入っています。

 

 「名前を書いておかないと、葉がなくなると分からなくなっちゃうの。何もないと思ってひっくり返して根が出てきたら、また植え直さなきゃ」

 

 それは手間ですね。そのためプランターに名札が付けられていますが、まだ名札をつけていないプランターもあるそうです。

 

 冬の水やりも夏とはまた違って難しいようです。プランターや鉢植えは霜が降りるからと思い、屋根のある場所に置いておくと、雨が掛からず枯れてしまったこともあるそう。

 

 「なるべく地植えしたいんだけどね」

 

 山野草は強く、冬に水をあげなくても春には芽を出します。だからこそ住職は山野草が好きなのでしょうか。

 

 住職の庭の、縁側のすぐ近くに火鉢が置かれています。夏ごろ、ポンテデリアが花を咲かせていました。花は枯れましたが、冬越しする芽が出ています。

 

 「これはあんまり水をあげなくていいの。下手にあげると火鉢が割れちゃうのよ」

 

 氷点下になることもある観音寺です。水道の水もチョロチョロ出しっぱなしにしないと凍ってしまうそう。春に芽を出してもらうために、冬の水やりにも気を使う住職です。

 

 

 

音羽山観音寺

山の中にある尼寺。桜井市南音羽。

JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。

火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門

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