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音羽山観音寺後藤住職の花だより - 寒麹づくりは体力勝負「毎日混ぜないといけないのよ」

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寒麹を混ぜる住職

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 奈良県桜井市の音羽山観音寺。2月末までは冬休みとして門は閉められています。取材は寒波の合間で天候に恵まれた2月中旬。冬休みとは言いながら、後藤住職は忙しい毎日を過ごしています。

 

 「この間、みんなに手伝ってもらってねこ餅を作ったのよ」と住職。

 

 ねこ餅とは、棒状の細長い餅のこと。観音寺では、正月にお供えされた鏡餅を使ってこの時期に作るのが恒例のようです。

 

 作り方を聞きました。まずは、たくさん供えられる鏡餅を下げてくると、切って発泡スチロールの箱に、こねた練り辛子と一緒に入れて保存します。練り辛子は抗菌作用もあって、カビが出来るのを防ぎます。開けたらダメだそうです。

 

 ねこ餅には、この保存しておいた餅を水につけて水餅にして、皿に並べてラップをして電子レンジで温めます。柔らかくなった餅を、うるち米のごはんと昆布、節分用の豆、好みによってエビなどを入れて、餅つき機でつきなおします。

 

 うるち米が入ることで、焼き直しても柔らかいそうです。

 

 「昔、高野山では鏡餅を水餅にして、蒸し器で蒸しあげてすり鉢でつき直してたけど、その応用ね」

 

 住職は、電子レンジや餅つき機などをうまく利用して、料理をしているようですね。

 

 「やることはいっぱいあるの」

 

 そういえば、前回の取材の後1月の終わりごろに、冬の大仕事、寒麹を作ったと聞きました。

 

 「毎日混ぜないといけないのよ」

 

 住職が見せてくれたのは、大きな容器が4つ。すべて寒麹が入っています。

 

 作業しやすいように、寒麹の入った容器を台の上に乗せ、大きなしゃもじをどこからか持ってきた住職。底の方から全体が混ざるようにかき混ぜます。

 

 「あら、塩が固まってるわ」

 

 中に塩の塊を見つけると、小さなしゃもじでつぶしながら、かき混ぜます。一つの容器で50回ぐらい混ぜると、だんだんと柔らかくなります。記者も混ぜてみましたが、寒麹は固くて大きなしゃもじで混ぜるのはかなりの重労働です。

 

 「最初はもっと固かったのよ。作って一週間ぐらいはよく混ぜないと、固くなるのよ」

 

 今でも十分固く感じましたが、なかなか大変な作業です。普段使わない筋肉を使い、記者は少し手伝っただけで軽い筋肉痛になりました。

 

 「田舎で生活しているから、のんびりしているかというと、そうでもないのよ」

 

 住職の言葉が身にしみました。

 

 

 

音羽山観音寺

山の中にある尼寺。桜井市南音羽。

JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。

火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門

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