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音羽山観音寺後藤住職の花だより - 食べられる山野草は?「かわいそうで、できないわ」

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「山野草を食べる本」を楽しそうに読む住職

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 冬休みが明けた3月初旬の奈良県桜井市にある音羽山観音寺。まだまだ寒い日でしたが、少しずつ春を感じさせてくれる植物の芽も生えてきています。そんな話を後藤住職としていると、どこから出てきたのか「山野草を食べる本」という分厚い本が住職の手元にありました。

 

 食べられる山野草が季節ごと、種類ごとに書かれていて、料理方法も提案されています。

 

 「マコモもプランターにあるんだけど、まだ出てこないわねえ」

 

 本を見ながら話す住職。イネのように伸び、ふくらんだところを食べるそうです。漢字では真菰と書き、神社では円座などにも使われる植物です。マコモは3年ほど前にもらって、プランターに植えられているようです。

 

 いろいろな山野草の名前を挙げながら、感想を話す住職。

 

 「その辺にあるわね」という山野草も多くあります。まさに、観音寺周辺は山野草の宝庫ですね。

 

 「ワラビはサクラの山にいっぱいあったけど、シカが全部食べちゃったわ」

 

 ほかに、イタドリやツクシもシカの好物のようです。

 

 住職の庭にあるイカリソウについても書かれていました。生薬にも使われますが、花は熱湯にくぐらせ、水にさらしておひたしにしても良いと書かれていました。

 

 「かわいそうで、できないわよね」

 

 昨年、長く庭で愛らしい花を咲かせていたキキョウも、根は生薬に、若い葉はおひたしにできるそうですが…。

 

 「そんな、かわいそうで食べられないわ」

 

 住職は食べられる山野草は好きだと思っていましたが、花を食べることには抵抗があるようですね。

 

 住職の庭には、ハーブなど花ではなく食べられる植物もたくさん植えられています。

 

 「パセリは今は取らないから大きくなってるわ。霜が当たると柔らかくなるのよ」

 

 どうして取らないのかというと…。

 

 「寒い時は、あまり生えてこないから、かわいそうで取らないの。夏はズクズク出てくるから取るけど」

 

 住職独特の表現ですが、よく状況を表している気がします。

 

 この日、住職の庭で冬を越したカマキリの卵もいくつか見せてもらいました。卵があるからと、わざと置いてある枯れた枝もあります。山野草にも、虫にも、優しいまなざしを向ける住職です。

 

 

 

音羽山観音寺

山の中にある尼寺。桜井市南音羽。

JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。

火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門

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