奈良県宇陀市の室生寺で弘法大師の高徳をしのび「正御影供(しょうみえく)」 長谷寺化主が大導師

「女人高野」として親しまれる奈良県宇陀市室生の室生寺(下村聖登座主)で、寺に縁が深い弘法大師・空海の高徳をしのぶ「正御影供(しょうみえく)」が21日、営まれた。
同寺では、大師が唐から持ち帰った「摩尼宝珠(まにほうしゅ)」という意のままに願いをかなえる宝を同山の精進峰に埋納したと伝えられ、命日にあたるこの日に毎年執り行っている。
昨年、関西地方から156年ぶりに真言宗豊山派総本山長谷寺(奈良県桜井市)化主・宗派管長に就任した川俣海淳師が大導師を務め、豊山派の僧侶12人と室生派の僧侶が一緒に法要を営み、大師を讃えて読経した。室生寺派は以前、豊山派に属するなど同寺との縁が深いため、依頼したという。
午前10時ごろ、行列が山門を出発し、稚児らを先頭に僧侶ら約50人が本堂まで練り歩いたあと、法要が行われた。
川俣師は、両寺の縁にも触れ、世界平和や万民豊楽などを願う表白文を読み上げた。