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音羽山観音寺後藤住職の花だより - 春の息吹感じる菜の花とゆず大根作り

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台所に菜の花を生ける住職

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 「ゆず大根を作ろうか」と後藤住職。

 

 奈良県桜井市の観音寺は、2月末まで冬休み中。そんな中でも、17日のご縁日には門を開放し、多くの信者さんたちが集まりました。

 

 コロナ禍の前までは、参拝者にも接待で食事を出していましたが、今は毎月17日のご縁日の日に、ごはんと汁物、漬物を振る舞っているそうです。取材の数日後にあるご縁日に向けて、たくさんお供えされている大根を使って、ゆず大根を作ろうという住職です。

 

 観音寺では作る量が家庭とは違います。大根10kg分を作ります。お供えされた立派な大根、5本分を使いました。住職が洗い、葉を落とした大根を、記者が皮むき器で皮をむきます。薄くむいた皮だけでも相当な量になりました。

 

 「鹿が喜ぶわね」

 

 確かに、鹿にとってはごちそうです。

 

 ひたすら皮むきと格闘した後は、この大根を1cm角ぐらいの拍子切りに。切った大根は、大きな容器にビニール袋を入れ、その中にどんどん入れていきます。住職と2人で黙々と切っていきます。

 

 ある程度進んだところで、住職はゆずの皮や唐辛子の準備を始めます。ここである事件が起こりました。

 

 「あら、さっき持っていた切昆布、どこへ行ったのかしら」

 

 住職は先ほど棚から使いかけの切昆布が入った袋を取りましたが、どこかに行ってしまったようです。冷蔵庫の中も確かめますが、ありません。

 

 「おーい、昆布さん。出ておいでー」

 

と呼びかけながら台所を探しますが、出てきてはくれません。

 

 「新しいのを開けたら出てくるのよね」

 

 よくありますね。結局、新しい切昆布の袋を開けることになりました。

 

 切った大根の容器に、調味料を入れます。調味料は、砂糖800g、酒400cc、酢400g、塩250g。そこにゆずの皮、切昆布、唐辛子を加えます。砂糖は足りなくなり、キビ砂糖も加わっていました。調味料を入れると、袋をもみこんで重しをして、数時間たてば食べられます。

 

 10kgの大根で、ゆず大根が大きな容器2つ分できました。

 

 作り終わった後、やはりというべきか、作業していた机の影になる椅子の上から使いかけの切昆布の袋は見つかりました。そんなものですね。

 

 台所には、菜の花が生けられています。

 

 「食べる用にもらったんだけどね。つぼみがあったから飾ってたら、花が咲いたわ」

 

 寒い観音寺ですが、春は確実に近づいています。

 

 

音羽山観音寺

山の中にある尼寺。桜井市南音羽。

JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。

火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門

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