音羽山観音寺後藤住職の花だより - 世界で一つだけの念珠づくり「個性いろいろ」
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奈良盆地の平野部では桜が見ごろを迎えた4月上旬。奈良県桜井市の音羽山観音寺で、ならリビング主催の「念珠づくりと住職のお話」というセミナーを開催しました。参加するのは紙面やWEBから申し込んだ19名。初めて観音寺を訪れる人もいれば、何度か来ている人もいるそうで……。
今回は、そんな念珠づくりの様子をお知らせします。
大きい方の参拝者用駐車場でもう一人のならリビング記者が受け付けし、記者は先に観音寺で準備をして参加者を待ちます。早く到着する人と、ゆっくり上る人といろいろ。それぞれ自分のペースで来てもらい、息が落ち着いた人から無量庵で念珠づくりを始めてもらいます。
今回作るのは、観音寺の宗派である融通念仏宗でも重んじられているハスの実と、音羽観音の印が入った親玉。30種類以上の天然石からそれぞれの腕の大きさに合わせた分の石を自由に選んで作る念珠です。
石を種類別に白い器に入れていますが、あえてそれぞれの石の説明はありません。その方が、先入観なく、自分の直感を信じて選ぶことができます。
選ぶ時間も人それぞれ。時間をかけて悩みながら選ぶ人もいれば、すっと決める人も。選び終わると、中に通す糸の色を選び、自分で珠を通します。ここで老眼鏡が活躍する人も多くいました。合間に、住職も念珠の話など気さくに応じます。
早くできた人は、
「20分ぐらいで展望台に行けるわよ」という住職の言葉に、出掛ける人も。最後に到着した人と一緒に来た、ならリビングのもう一人の記者も展望台まで上がったようです。
全員が念珠の糸を通し終わると、最後は糸を結んで仕上げ。これは住職と長年の付き合いがある専門家が行います。その出来上がりを待って、みんな本堂に移動。観音様にお供えし、お勤めをしてもらいます。
本堂では、正装に着替えた住職と一緒にみんなでお経を唱え、住職の法話も。観音様にお供えした念珠を配り、会は終了です。
出来上がった念珠を配りながら住職は、
「本当に、みんな見事にバラバラね。それだけ個性があるってことね」
間違いなく世界で一つだけの念珠です。この日の思い出と一緒に、参加者にとって大切なものになることを願います。
音羽山観音寺
山の中にある尼寺。桜井市南音羽。
JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。
火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門