境内に響き渡るかけ声 奈良県桜井市・談山神社で春のけまり祭

奈良県桜井市多武峰の談山神社(金子清作宮司)で29日、春のけまり祭が営まれ、古式ゆかしいけまりが奉納された。
中大兄皇子(後の天智天皇)と中臣鎌足(後の藤原鎌足)がけまりを通じて親しくなり、同地の「談山(かたらいやま)」で蘇我氏討伐(大化の改新)の計画を練った故事にちなむ行事。毎年、春と秋に行われている。
本殿での祭典後、芸能の神を祭る権殿(ごんでん、国重要文化財)前の「蹴鞠(けまり)の庭」で、色とりどりの上衣に鞠袴(まりばかま)を着けた「蹴鞠(しゅうぎく)保存会」のメンバーが、まりを落とさずに蹴り合う古式ゆかしい妙技を披露。「アリ」「ヤ」「オウ」と、鹿皮製の白いまりを蹴るかけ声が境内に響いた。