【読者プレゼントあり】はじまりは「農業×靴下」 肌に優しい『米ぬかソックス=歩くぬか袋』ができるまでー株式会社 鈴木靴下<PR>
「NUKATO」として新たに展開
「米ぬかソックス=歩くぬか袋」で知られる株式会社鈴木靴下(奈良県三宅町小柳、鈴木和夫代表取締役)は2025年春、「米ぬか繊維シリーズ」の新しいブランド名を「NUKATO(ヌカト)」と命名した。
鈴木代表が自ら開発したことで話題の『歩くぬか袋』は、足の乾燥に悩む人を中心に絶大な支持を集めている。このシリーズのこれまでと、これからの展望について、鈴木代表に話を聞いた。
鈴木和夫 代表取締役=5月12日、三宅町小柳の株式会社鈴木靴下
店舗内の様子=同
なぜ、米ぬかと靴下が結びついたのか
鈴木靴下は1958年(昭和33年)、鈴木代表の父が創業した。もともとは子ども向けの靴下を製造していたが、スポーツソックスに参入してOEM製造を請け負うようになる。上質なサッカーストッキングを作る会社として有名になり、利益を上げていた。
鈴木靴下に入社して事業に携わるようになった鈴木代表だが、気がかりなことがあった。
現在も鈴木家は兼業農家で、1ヘクタール以上の農地の世話をしている。大学生の時から「米ぬかを廃棄するのはもったいない」と思っていたという。何とか活用できないかと考え始めたときに思い出したのが、小学2年生のときの体験だった。
当時は、学校の廊下を米ぬかが入った木綿の袋(ぬか袋)で乾拭きをしていた。理由はわからなかったが、そうすると廊下がツルツル、ピカピカと美しくなっていたことを鮮明に覚えていた。
実は米ぬかは栄養の宝庫であり、玄米の約75%に相当する栄養成分を含んでいる。古来より美容アイテムとしても活用されていた。
「米ぬかを活用して靴下をつくれば、肌が綺麗になるのではないか」とひらめき、開発に向けて動き出した。
『歩くぬか袋』開発ストーリー
25歳のとき、大阪の紡績会社に米ぬかの糸を開発することを提案したものの、米ぬかのことをあまり知らない都会では相手にされなかった。忙しい日々が続きなかなか次の手を打てないでいたが、どうしても諦めきれなかった鈴木代表は20年後、「自分が手作りすること」を決意。昼間は会社の業務をこなし、退勤後にたった一人で開発にいそしむ日々がスタートした。
「靴下を米ぬかまみれにする」ため、靴下と米ぬかを鍋に入れて煮たり、米ぬかを樹脂で固めてみたりと試行錯誤を続けたが、全て上手くいかず開発がストップしてしまった。
この時期に紹介されたのが、長年にわたり米と米ぬか研究を続けてきた和歌山県工業技術センターの故・谷口久次先生。谷口先生の指導のもと、米ぬかの特性を学ぶところから再スタートした。
最終的には、米ぬかの成分をエタノールと水を使ってアルコール抽出し、抽出した成分を靴下に塗布することに成功。この靴下のモニタリングを実施したところ、「履くと足にツヤが出るが、洗濯すると効果がなくなる」ということが判明した。
この結果を紡績メーカーに持ちこんだ。改良を加え、レーヨン繊維の特徴であるスポンジ形状を活用し、その小さな穴の中に、米ぬかの天然由来成分を練り込んだ。 再度のモニタリング、さらに数回の紡績を経て、3年がかりでついに米ぬか繊維が完成した。
こうして出来上がった『歩くぬか袋』=米ぬかソックスは、高い保湿力に加えて多くの機能を兼ね揃え、「鈴木靴下といえば米ぬかソックス」と言われる、大人気シリーズとなった。
開発当時のアンケート用紙=同
米ぬかの天然由来成分が練りこまれたレーヨン(和歌山県工業技術センター提供)
谷口先生の存在
約3年間、靴下と米ぬかを煮るところから丁寧なモニタリング、完成まで、鈴木代表がすべて一人で進めた。当初は社内でも遠巻きにされていたということもあるが、谷口先生に「一人でやりなさい」と言われていたためだ。
「大人数が集まると、必ず否定する人がいて進まなくなるから」、絶対に一人でと念を押された。厳しい先生だったが、「いろんなことがあると思うが、最後には良いものができる」と応援してくれた。鈴木代表は、「諦めなかったのは、谷口先生のあの言葉のおかげ」という。
準備期間を経て、今からスタート
発売から20年以上を経て、『歩くぬか袋』は2025年秋頃より「NUKATO」として展開することが決定した。
鈴木代表は、「ブランディングは苦手」だという。しかし、「鈴木靴下にしかない米ぬか繊維」をより広めたい、地方の小さな工場だからこそ都会の大企業に挑みたいという思いが強くなった。
「これまでの20年は準備期間。『歩くぬか袋』と鈴木靴下は、今からがスタート」だと、鈴木代表は意気込みを見せた。
プレゼント情報
奈良新聞デジタル プレゼントコーナーにて鈴木靴下の商品プレゼント情報を公開中。
※締め切りは5月25日(日)
今回のプレゼントは、『歩くぬか袋』締め付けない靴下=同
株式会社 鈴木靴下
〒636-0216 奈良県磯城郡三宅町小柳23-1
近鉄田原本線 「箸尾駅」下車、徒歩約10分
TEL:0745-44-0132(代表)
0745-43-9138(店舗)