古都の地下水に関するニュースが続いた。…
古都の地下水に関するニュースが続いた。一つは「小浜・京都」ルートで延伸される北陸新幹線、もう一つは平城宮跡近くをトンネルで通過する京奈和自動車道だ。
北陸新幹線は京都市の地下をトンネルで抜き、「京都駅」も地下に設ける計画。京都府酒造組合連合会などは井戸に影響が出ないよう求めている。
先月24日に有識者が京都市で開いた勉強会では地下水への影響は避けられないと指摘があり、量や質が変わるとも。酒造りにとどまらず、同市内のルート選定は市の将来に関わる問題だろう。
一方、京奈和道大和北道路の建設に向けて地下水位を観測しているモニタリング検討委員会は同25日の会議で水位の安定を報告、工事中も含めて今後も観測を継続する。
平城宮跡の地下には木簡が水漬けの状態で眠るとされ、水位の低下は史料の喪失につながる。
北陸新幹線と異なり、大和北道路のルートは決まっている。トンネルの深度や工法でリスクをどこまで減らせるか。現在の水位が安定していればなおさらのこと、来るべき着工に向けて十二分の検討が求められる。(増)