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音羽山観音寺後藤住職の花だより - 納経所でお札書き「願いが天上界に届きますように」

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納経所で祈祷のお札を書く住職

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 冬の訪れを感じる12月中旬の奈良県桜井市の音羽山観音寺。「納経所にお札を書きに行くわ」という後藤住職について、本堂の横にある納経所に向かいました。

 

 納経所のあたりからは色づいた木々の下にある鐘つき堂や、県の重要文化財であるお葉付きイチョウが黄色いじゅうたんを作っている様子が見えます。

 

 住職が本堂から、お札の束を持って納経所に戻ってきました。厚さにして10cm以上あるでしょうか。

 

 音羽山観音寺は、眼病に霊験あらたかと伝わる千手千眼十一面観世音菩薩が本尊のため、眼病平癒の祈祷が最も多く依頼されます。中には毎月続けての祈祷や、お寺までは来られない人からホームページを通じての依頼もあります。

 

 祈祷をすると2枚お札を作り、1枚は申し込み者に送りますが、もう1枚は本尊に供えているそうです。

 

 住職が分厚い束の中から、今回書くお札の前の分を取り出します。そのお札に、何か茶色っぽい模様のようなものがついています。

 

 「香炉の上に置いてるのよ。煙と一緒に天上界に届くようにね」

 

 どうやら、お香の煙で茶色くなっているようです。

 

 「最初のころは、ただ一生懸命祈るだけだったんだけどね」

 

 祈祷のお札の中には、手術日や祈祷してほしい内容が書かれているものもあります。手術日には、そのお札を一番香炉の近くに置いて、「この人をお願いします」と特に思いを込めて拝むこともあるといいます。

 

 「その時だけじゃなくて、ずっと治ってほしいしね」

 

 そうして預かっているお札が先ほどの束。香の煙で茶色くなったお札の束に、いろいろな人の思いが込められています。住職は、そんな人々の願いが成就するよう、毎日観音様に拝んでいるのですね。

 

 納経所の前の石灯籠の近くにある、観音寺で一番古いというフジバカマは短く刈られ、冬越しの準備に入っていました。

 

音羽山観音寺

山の中にある尼寺。桜井市南音羽。

JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。

火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門

※2月末まで冬季閉門しています

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