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【写スポーツ】的中の達成感が魅力 1射1射 理想追及 - 桜井高校 弓道部

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28メートル先の的を目がけ、次々と矢を射る部員=写真はいずれも桜井高校

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 剣道や柔道と並んで、わが国古来の武術の流れを汲む弓道。「道」の文字が付くさまざまなスポーツの中でも、弓道は相手が人ではないというのが最大の特徴といえる。相手は的で、集中力を高め自分の間合いで矢を射る。的中の快感は得難いものと思われるが、厳しい自己抑制を効かせつつ充実した射を目指す。年齢や性別、個々の体格や体力にあまり左右されないという運動特性を持ち、若年から中高齢者まで愛好家は多彩で、クラブ活動として取り組む高校生も多い。全国高校総合体育大会(インターハイ)などアスリート熱望のひのき舞台を目指し練習に取り組む桜井高校(桜井市桜井)弓道部を取材した。

 

 

 

 

技術の向上だけでなく、礼儀を身に付け、社会に出たときに役立つ力を養うことも活動の目的にしている。ちょっとした心の動揺で射術が狂ったりすることもある。正しい射術は正しい姿勢からとも言われ、部員は1射1射、集中し心を込め矢を射る=写真はいずれも桜井高校

 

 

 競技は近的と遠的の2種目。近的は射位(弓を引く位置)から的までの距離が28メートルで、通常の練習などはこの距離で行われている。的の大きさは直径36センチで、射位からは親指の先ほどの大きさに見える。遠的は2倍強の60メートル。的を捉えるには技術に加え、安定したメンタルが求められる。とはいえ「日々の練習の積み重ねが不可欠で、数多く射ることで無駄のない動きが身につき、緊張した状態でも的中させることができる」と指導する布施慈人教諭(34)は話す。

 

矢は箆(の=最も長い部分)、羽根、矢尻(的に刺さる部分)、矢筈(やはず=弦をかける部分)から構成され、竹製のものとジュラルミンやカーボン製などがある

 

 現在、部員は53人(1年男子8人女子9人、2年男子9人女子12人、3年男子7人女子8人)。約3分の2が高校に入ってから始めたという中、3年連続でインターハイに出場。昨年は女子が団体の部でベスト16。一昨年は男子が団体の部で16強入りを果たすなど実績を残している。競技経験のない布施教諭は「私にとっても夢のある競技。経験者でないからこその視点で子供(部員)の適性を見極め、指導している」と高みを目指す。今年7、8月、鳥取県米子市で開催されるインターハイでは8位入賞を掲げる。

 

 男子の部、和田昂大部長(2年)、女子の部、岡本ひなた部長(同)も高校入学後、弓道を始めた。和田部長は中学時代はバスケット部に所属。「(弓道は)繊細なスポーツで試合は自分との戦いだが、仲間に恵まれ練習が楽しい」。岡本部長は弓道を取り入れたアニメの主人公に憧れ入部。「覚えることが一杯で難しい面もあるが、的中した時の達成感が魅力」と話し、1射1射、理想のフォームを追求する。(写真と文・牡丹賢治)

 

2025年1月22日付・奈良新聞に掲載

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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