【写スポーツ】高み目指し切磋琢磨 春期奈良日拳合同合宿で - 日本拳法(日拳)

全国高校選抜に向け「合同合宿」
日本拳法(日拳)の全国高校選抜大会(29~30日、大阪市内)に向け、県内各校の日本拳法部に所属する部員らが一堂に集まり、22、23日の両日、「春期奈良日拳合同合宿」が大淀町下渕の県立奈良南高校大淀学舎武道場で行われた。
日本拳法は面や胴、股当などの防具とグローブを身に着け、打撃技、投げ技、寝技を織り交ぜ勝敗を競う。柔道や空手の要素を併せ持つ総合格闘技と位置づけられ、防具を装着することで全力で打ち合い、技を放つことができる。
もちろん防具を着けていない部位への攻撃は禁止だが、ルールは至ってシンプルだ。面や胴に、形に則した強烈な突きや打ち、蹴りが決まれば1本となり、2本先取で勝ちとなる。それ以外にも相手を投げ、関節技などで動きを制し勝機を見い出すなど戦い方は多彩だ。
合同合宿は「他校の選手らと練習することで刺激を得て、更なる技術力と精神力の向上が図れる」と話す香美秀一・橿原高校監督は、県内で日本拳法部がある3校(橿原、奈良南、青翔)の師範も努め、普及・強化に力を入れる。「合宿は『奈良日拳』の一員である自覚を一人一人が持ち、切磋琢磨(せっさたくま)し、忍耐力などが身に付く」とも。
実戦を想定し、防具を着用して技(突・打・蹴)を自由に組み合わせる「乱稽古」では「手数を出せ」「1本1本、集中」などと檄(げき)が飛ぶ。多くの卒業生も参加し、時間を決め次々と相手を変えて行う「回り稽古」はメリハリがあり、見た目にも壮観だ。
大半の部員は「新しいことに挑戦したい」などと、高校入学後に始めた初心者。「自分の強みを見い出す絶好の機会。合宿は魔法」とその意義を強調する香美監督。橿原高校は部訓に「不撓(ふとう)不屈」を掲げ、日々努力を重ねているが、合宿では学校の枠を越え生徒間の絆も深まる。
全国選抜大会には、男女とも団体の部に橿原と青翔が出場。個人の部は県新人大会8位入賞までの選手を中心に参戦。チーム奈良で高みを目指す。(写真・文、牡丹賢治)
橿原高校
指導者 松川慈部長 香美秀一監督
部員 男子2年3人、同1年7人 女子2年4人、同1年3人 マネジャー2年3人、同1年3人
奈良南高校
指導者 冷水祐次部長 増田敦己監督
部員 男子2年1人、同1年1人 女子2年1人
青翔高校
指導者 吉川知晃部長 大門将弥監督
部員 男子2年3人、同1年3人 女子2年2人、同1年5人 マネジャー1年1人
※合同合宿には橿原学院から男子2年1人、同1年1人も参加。また全国選抜大会には奈良学園の男子生徒1人(2年)も出場する
奈良日拳の一員として自覚を持ち、練習に励む
切磋琢磨の精神を忘れず、更なる技術力や精神力の向上を目指し、監督らの話を聞く各校部員
春期奈良日拳合同合宿に参加した部員と各校監督ら指導者
規則正しく秩序ある集団行動を心がけ、宿泊施設に入る部員=吉野町吉野山のフォーレス太鼓判花夢花夢
もりもり食べることも練習の一環。他校の部員との絆も深まる=同
2025年3月26日付・奈良新聞に掲載