ホッケー サムライリーグ「アルカディア奈良」 D2に参入 - 天理大学の選手を中心に30人

目標は初年度でD1昇格、2年目でD1優勝
大学・社会人チームの国内最高峰リーグ「高円宮杯2025ホッケー日本リーグ」のサムライリーグディビジョン2(D2)に、奈良を拠点として新たに創設されたホッケーチーム「アルカディア奈良」が参入する。同リーグでは、女子のさくらリーグで「南都銀行SHOOTING STARS」が奈良県勢として活躍している。
同リーグを主催・主管する(一社)ホッケージャパンリーグは、ホッケー女子日本代表「さくらジャパン」のパリオリンピック出場を機に、ホッケーの魅力を多くの人に知ってもらおうと、「ホッケー改革」を推進してきた。2024シーズンからカテゴリーの愛称を女子リーグは「さくらリーグ」、男子リーグ(男子H1・2)は「サムライリーグディビジョン1・2(D1・2)」とした。
また、集客を目的として試合のホーム&アウェー方式への段階的移行などを推進、各チームにもフロントを設置して試合運営や営業、広報を含めたチーム力の強化・向上を求めた。
それに合わせ、男子1部リーグで活躍していた「天理大学ベアーズ」がチームの法人化を目指したが、大学の一クラブであったため実現できず、リーグを脱退。ただ、天理大には日本トップレベルの選手も多く、奈良に新たなチームをつくろうと、同大ホッケー部のフィジオセラピストだった岩本金悟氏らが奔走、昨年10月、NPO法人「奈良ホッケー&カルチャーアカデミー」の設立とともにアルカディア奈良が創設された。
所属選手は社会人を含む30人。現在は天理大ホッケー部の選手が中心だが、今後はクラブチームとして社会人選手も加えていく予定という。大学生選手はインカレなど大学の大会にも出場する。
チーム名の「アルカディア」は古代ギリシャの地名で「理想郷」を意味する。「選手、スタッフ、ファンにとって理想的なホッケーチームに」という思いと「奈良をホッケーの理想郷に」という強い意志を込めた。
男子2部に当たるD2からのスタートだが、一昨年まで男子H1(現在のD1)リーグで活躍した選手をはじめ、昨秋のインカレを制した天理大の選手が多く在籍。U21日本代表として国際大会を経験した選手もおり、一気に上位に駆け上がることが予想される。目標は初年度でD1昇格、2年目でD1優勝と揺るぎない。実現可能性についての質問に、中嶋丈大主将は「100%だと思って取り組みたい。自信はあります」と不敵に笑う。
穴井善博監督は、ホッケーの魅力について「まずスピード感。カーボン製のスティックで強化プラスチックのボールを打つので、シュートは男子なら200キロ近く、パスでも100キロ近いスピード。ぜひ一度見てほしい」とアピール。「ボディーコンタクトは許されないものの、格闘技という人もいるほどの激しい攻防に加え、チームスポーツとしての繊細な連携も見どころ」と魅力を語る。
日本ホッケー界に奈良から吹き込む新風に期待が高まる。
2025年4月16日付・奈良新聞に掲載