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女子フルVに照準 - 奈良マラソン2024

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奈良マラソンのフルに出場するNARA―Xの(左から)清水、大樽と世界遺産10Kに出場する田代=6日、橿原公苑陸上競技場

NARA―X、調整着々

 

 大和路の冬の風物詩「奈良マラソン」(12月7・8日)までひと月を切った。女子フルには県に拠点を置くクラブ型実業団「NARA―X(ナラックス)」から清水穂高(28)、大樽瑞葉(28)、米谷結希(26)、世界遺産10K(10キロ)には田代実穂(25)、育成選手の小林亜由佳(23)がエントリーする。フルでは大会6連覇に照準を合わせる山口遥(AC・KITA)の牙城を崩すことができるか。10Kでは2年ぶりの王者奪還を狙う。

 

 

清水穂高、大樽瑞葉、米谷結希に注目 10キロ田代実穂も頂点目指す

 

 奈良マラソンがひと月後に迫る11月6日、NARA―Xは橿原公苑陸上競技場で週2回実施している合同練習を行った。選手は一般企業でフルタイム勤務しているため、この日、練習に参加できたのはフルに出場する清水(アスカ美装)、大樽(エコノレッグ)、10Kの田代(東海フレンズ)の3選手。清水が10日に福岡マラソン(フル)、大樽が17日に神戸マラソン(フル)、田代が10日に和歌山ジャズマラソン(10キロ)への出場をそれぞれ控えているため、各自がそこに向けて調整を行っていた。

 

 昨年の奈良マラソンでは、「チームで山口と対決する」と公言していて、まずは清水が先頭に躍り出て逃げ、山口の後ろを大井千鶴(6月卒部)がマークしてプレッシャーを掛け、大樽が3位以内の入賞を死守するという戦略で挑んだ。前年2022年は山口と大井の真っ向勝負で挑んだが10分以上の差を付けられて惨敗。昨年はチーム戦で挑んだ結果、敗れはしたが差を1分30秒にまで縮めることができた。

 

 清水は「スタートの直前に(大歳研悟)監督から『序盤から山口さんの前に出ろ』と言われた」と明かす。「全然聞いていなかったので果たして大丈夫かと不安に思ったが、自分がやるしかないんだ」と覚悟を決めた。

 

 逃げる走りで持っている力以上に足を使ってしまったが「抜かれても最後まで走り切ろう」と、2時間55分1秒でゴールし7位入賞に食い込んだ。「この夏場はNARA―Xに入ってから一番距離を走れて手応えがある。最後の坂で勝負が懸けられるよう、最終局面での切り替えをイメージして練習したい」と意気込む。

 

 大樽は昨年、けがから復帰したばかりでジョギング程度の練習しかできなかったのに加え、3週間前には神戸マラソンにも出場していた。そんな状態でも神戸は2時間44分19秒で走り6位入賞。初の奈良マラソンは2時間48秒12で3位に入り、しっかりと役割を果たした。

 

 「立て続けのフルは初めてて、どこまで走れるか不安もあり無難な走りになってしまった」と反省点を挙げる。今年も奈良の前に神戸で走るが、「自己目標の40分切りを達成して奈良に臨みたい。いままで無難に走ることが多かったが、その殻を破るレースにしたい。躊躇(ちゅうちょ)するより勝負する」と力強く語った。

 

 仕事の都合で練習に参加できなかった米谷(佐藤薬品工業)は一昨年、昨年は10Kで出場し、3位、2位と順位を上げ、フルは初のエントリー。3日の富山マラソンでは3時間3分6秒で6位に入賞した。難コースである奈良で3時間切りを達成できれば、さらなる自信につながるだろう。

 

 10Kは2022年に平田由佳(3月卒部)が優勝して以来の頂点を目指す。田代は同年に41分22秒で7位に入賞したが、昨年はエントリーしたもののけがで不出場となった。

 

 「前回の優勝タイム(35分35秒)は例年より速い。そこを目標に、速いペースでの持久力を上げていきたい」と最後の調整に余念がない。昨大会はけがで出場できなかった小林(SONAS)は初の奈良マラソンに挑む。

 

 チームの大歳監督は「年々応援いただいている方の数が増えているので、今年は絶対に優勝する。去年は悔し涙だったがうれし涙を流したい」と悲願の奈良マラソンの頂点を狙う。(有賀哲信)

 

 

 

2024年11月13日付・奈良新聞に掲載

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