【深掘り】遺物で見る大和古墳群と柳本古墳群 - 奈良県天理市の文化村で3月3日まで地域連携展
天理市杣之内町のなら歴史芸術文化村で3月3日まで、市教育委員会との地域連携展「山辺の古墳文化-大和(おおやまと)古墳群と柳本古墳群-」が開かれている。古墳時代前期(3~4世紀)に巨大古墳を中心にして築かれた大和古墳群と柳本古墳群は、初期ヤマト王権を考える上で重要視されている。会場では22古墳・遺跡の出土品や関連資料、計約340点を一堂に集めており、見ごたえのある内容だ。同文化村の藤元正太主任研究員に展示の注目ポイントを聞いた。(竹内稔人)
内容
- 埴輪が出現した大和古墳群
- 墓前祭祀の埴輪配列を再現
- 奈良で初公開の三角縁神獣鏡
- 富雄丸山古墳との関連で注目
- 推定復元された盾形埴輪
- 学史上も貴重な陵墓模型
埴輪が出現した大和古墳群
大和古墳群と柳本古墳群は奈良盆地東南部、天理市の南部に位置。展覧会はこれまでの調査・研究の成果を紹介している。
会場に多く並べられているのが埴輪(はにわ)の数々。藤元さんは「会場全体で埴輪の時代の変化が分かるように展示しています」と話す。
大和古墳群の一つ、中山大塚古墳出土の「特殊器台」は、弥生時代後期後半に吉備地方を中心に広まった、埴輪の起源とされる土器。同古墳群で最大規模の西殿塚古墳(全長約230メートル)では「特殊器台形埴輪」が見つかっており、「埴輪が出現し、初めて墳丘に並べたのが大和古墳群の古墳でした」と紹介する。
墓前祭祀の埴輪配列を再現
「今回展覧会の目玉の一つです」と藤元さんが語るのが東殿塚古墳の多様な埴輪。前方部西側で墳丘から張り出す突出部で出土したもので、これら埴輪は土器とともに立て並べて墓前での祭祀空間を創り出していたと考えられている。「会場では出土位置の通りに並べて当時の配列を再現しています」
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