大和古寺お参り日記【17】 - 長岳寺(上)
師走の寒空の午後、山の辺の道にある長岳寺を訪れた。ツツジの木の生け垣を進むと日本最古と伝わる鐘楼門が迎えてくれる。824年、弘法大師が大和神社の神宮寺として創建した当時のものだという。
北川慈照住職に案内していただいた本堂には、平安時代に造られた本尊の阿弥陀三尊(国重要文化財)が安置されている。中央の阿弥陀如来はどっしりとふくよかで、温かさを感じる。唇の色が残っているため、ほほ笑んでおられるようにも見える。鎌倉時代の仏師運慶(うんけい)の父、康慶(こうけい)が彫ったと伝わるという。
「阿弥陀如来は何事にも動じず、煩悩深いわれわれを救ってくださいます」と北川住職。
脇侍は阿弥陀如来の慈悲の分身、観世音菩薩と知恵の分身、勢至菩薩。それぞれが片足を下ろした半伽椅坐像(はんかいざぞう)で、シンメトリーのバランスが絶妙なことに心を引かれた。三位一体の深さが伝わってくる。
室町時代の書院造りの様式を残した旧地蔵院(延命殿)には、神秘的な普賢延命菩薩が祭られている。古代インドの宇宙観の影響を受けたという密教らしい白象に支えられ、4頭の白象の頭上では四天王が守りを固める。
この記事の残り文字数:356文字
(写真2枚 あり)
この記事は歴史文化ジャンルの有料記事です。
続きをご覧になりたい方は
ログインまたはご利用手続きをお願いします。
地元奈良を知るには
やっぱり奈良新聞デジタル!
奈良新聞デジタルの有料プランに入ると
- 月額550円から有料記事が読める
- 広告なしで快適に閲覧(一部バナーを除く)
- 国内・国際ニュースが読み放題
- 上位プランで紙面宅配や紙面ビューア利用可