音羽山観音寺後藤住職の花だより - 今年のお正月を振り返ってみました
関連ワード:

少し前のことになりますが、2025年に入って最初に登る、奈良県桜井市にある音羽山観音寺。松の内のこの日、本堂には五色幕が掛けられ、本堂の前や洗心、玄関にも正月花が飾られています。また洗心をはじめ、お寺のあちらこちらにしめ縄が飾られていました。
「毎年12月29日にみんなで作るのよ」
と後藤住職。何人か集まって、わらをたたくところから作る手作りのしめ縄とのこと。オサムやサクラの小屋にも飾られていました。
「オサムやサクラの家だからね」と住職。全部で何カ所に飾られているのでしょうか。
「本堂に、玄関に、洗心に……9つかしら」
それだけ作るのはひと仕事ですね。
「上手な人がいてね。おばあちゃんが作っていたのを見ていたって」
代々家族で技術が受け継がれている、素敵な話ですね。
観音寺の新年の様子も聞きました。
大みそかの日は、夜23時30分ごろから一年のお礼を込めて除夜法要を行います。
その後、23時45分ごろから除夜の鐘を参拝者でつきます。108個のミカンが用意され、一回打つとひとつ取ります。ミカンの数で除夜の鐘のついた回数を数えています。
「0時を過ぎたら『明けましておめでとうございます』って言って、除夜の鐘が108回つき終わるのを待つのよ」
108回つくには30分以上かかります。その間に、南音羽の人が鏡餅を供えに来てくれたそうです。
境内には、21時ごろからかがり火がたかれ、暖を取るそう。やはりこういった時には焼きイモです。かがり火から薪を取って、別に作ったたき火で、この時も子どもたちが、焼きイモやマシュマロを焼いて楽しんだそうです。
「焼きミカンも良いわよ。風邪に良いのよ」と住職。民間療法ですね。記者は初めて聞きました。
「子どものころ、火鉢にミカンを入れて食べたわ。良いにおいがして程よく焼けるのよ。筋がきれいに取れるの」
火鉢もなかなか見る機会がなくなりましたが、住職の話を聞いていると、一度食べて見たくなりました。
音羽山観音寺
山の中にある尼寺。桜井市南音羽。
JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。
火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門
※2月末まで冬季閉門しています