連載「歴史インタビュー」 第2回/奈良文化財研究所長 本中真さん - 庭園の周辺に注目
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考古学や歴史学、文化財学などの専門家に話を聞くインタビュー連載。第2回は奈良文化財研究所長の本中真さん。奈良文化財研究所の所員時代に取り組んだ庭園遺構の研究や、文化庁の職員となってから携わった世界遺産と文化的景観のことについて話を聞きました。両者は全く異なる分野のようですが、そこには共通点があると言います。(聞き手・竹内稔人)
専門は造園学。大学卒業後、奈良文化財研究所(奈文研)に在籍した約17年間、発掘調査に携わった。一番興味があったのは奈良時代の庭園遺構。特に庭園の立地に注目し、当時の周りの風景や人々の風景観を、庭園からどう読み取れるか考えてきた。「奈良の田園に囲まれた環境の中で発掘現場に臨んでいたことが、そうしたことに関心を持つ契機となった」と語る。