連載「歴史インタビュー」 第4回/奈良芸術短期大学特任教授 前園実知雄さん - 「幸せな発掘人生」

考古学や歴史学、文化財学などの専門家に話を聞くインタビュー連載。第4回は奈良県内の数々の発掘調査を担当してきた、奈良芸術短期大学特任教授の前園実知雄さん。著名な藤ノ木古墳の調査を中心に振り返っていただきました。(聞き手・竹内稔人)
太安万侶(おおのやすまろ)の墓(奈良市)をはじめ、宮滝遺跡(吉野町)や大峯山寺(天川村)、唐招提寺金堂(奈良市)、法隆寺(斑鳩町)など多くの発掘調査に関わり、「幸せな発掘人生だった」と語る。
実家の寺を継ぐつもりで4年間は古代史を学ぼうと同志社大学に入学。ところが2年時に考古学者、森浩一さんの講義に感銘を受け、考古学の道へと方向転換。卒業後、県立橿原考古学研究所(橿考研)に入った。
藤ノ木古墳の調査
携わった発掘調査でよく知られる一つが藤ノ木古墳(斑鳩町)。同古墳との関わり始めは県の遺跡分布図作成時だった。墳丘の裾に掛かっていた小字「藤ノ木」から古墳の名を命名した。