花見客でにぎわう大和郡山市の郡山城跡を訪ねた。展望施設として整備された天守台には大勢の人がおり、戦国乱世のとりではこのような様子だったろ…
花見客でにぎわう大和郡山市の郡山城跡を訪ねた。展望施設として整備された天守台には大勢の人がおり、戦国乱世のとりではこのような様子だったろうと想像を膨らませた。
在りし日の郡山城は天守を持った大城郭で、とりでなど想像しては叱られそうだが、人が立つことでその大きさが実感できた。
天守台に上がると大きな礎石が据えられているのが分かる。2014年に市教育委員会の調査でこれらが見つかるまで、城の姿は謎に包まれ、今に残る石垣は江戸時代のものとする研究者もいた。
調査では整然と並ぶ礎石列のほか、豊臣政権を象徴する金箔(きんぱく)瓦も見つかり、織豊期の城郭としての再評価が進む。江戸時代には譜代大名が次々と城主となった。
来年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」は秀吉の弟で郡山城主だった秀長が主人公。14年に発見された遺構も盛り上げに一役買いそうだ。
整備された天守台からの眺めはすこぶる良い。5層とも7層ともいわれる天守に立ったつもりで周囲を見渡せば、「大和大納言」と呼ばれた秀長の気分が味わえそうだ。(増)