奈良国立博物館が「新奈良博宣言」の概要発表

1895(明治28)年に誕生し、今月29日に開館130年を迎える奈良市登大路町の奈良国立博物館(井上洋一館長)は7日、これまで以上に親しまれ、愛される博物館を目指した「新奈良博宣言」の概要を発表した。
宣言は、豊かな自然・歴史・文化を育んだ「なら」の魅力を広く国内外に発信し、その真価を未来に伝えていく▷仏教美術研究の拠点となり地域や世界の人々の学びに貢献する▷「やさしい」博物館を超えて誰もが「やさしくなれる」場所となる―の三つ。
「なら仏像館」を「奈良国立博物館 仏像館」に名称変更して仏像館の改革にも着手し、「旧帝国奈良博物館本館」(重要文化財)として使用された仏像館西側からの景観などを考慮し敷地内の整備を進めたいとしている。また、今後は館蔵品や寄託品の魅力を伝えるために名品展にも力を入れていくという。
記念事業としては、同館所蔵の国宝薬師如来坐像の横顔が130年の向こう側を見通す記念ロゴマークを制定し、記念特別展「超国宝―祈りのかがやき―」(4月19日~6月15日)、「世界探検の旅―美と驚異の遺産―」(7月26日~9月23日)を開催。今後は、記念グッズや写真家・六田知弘さんが撮影した同館監修の名宝写真集を発売予定で、地下回廊では写真展も開催中だ。
井上館長は「訪れた人が心豊かになり、皆に愛される空間にしたい」と話す。