季節は巡る。東大寺・二月堂の「お水取り…
季節は巡る。東大寺・二月堂の「お水取り」も過ぎて、自宅近くの公園の桜が満開だ。4月7日の桜は、いつも格別な思いが込み上げてくる。
1945年のこの日、旧日本海軍の戦艦「大和」が鹿児島県の南の海で沈んだ。沖縄へ向かう途中で、米軍機のすさまじい攻撃によるものだった。
石破茂首相が先日、小笠原諸島の硫黄島を訪れ、現職の首相としては初めて日米両国合同の慰霊式に出席した。この島で日本側約2万1900人、米国側約6800人が戦死した。
戦後80年。1995年の村山富市首相の戦後50年談話に始まり、小泉純一郎(戦後60年)、安倍晋三(同70年)の各首相が談話を発表してきた。
石破首相は戦後80年の「首相談話」を見送り、あの戦争を検証し、平和構築のためのメッセージを出すことを検討しているという。首相談話の形は継続すべきと思うが、どうか。
戦後生まれの世代がほとんどを占めるようになった日本国において、戦争の記憶を受け継ぐとはどういうことか。「戦争を知らない世代」のためにこそ、政府としての見解は示すべきではないか。(北)