メイク・アメリカ・グレート・アゲイン(アメリカ合衆国を再び偉大な国に)―。トランプ氏が大統領選挙のスローガンに使用し、今では同氏支持する勢力そのものを示す言葉になっている。トランプ氏の考える「偉大な国」とはどんな国なのだろう。

　先月28日にあったとアメリカとウクライナの首脳会談は決裂に終った。友好国の首脳同士が報道陣やカメラの前でこれほど激しく口論する姿は見たことがない。

　トランプ氏とゼレンスキー氏のロシア・プーチン氏に対する向き合い方の違いが対立の背景。しかし、ウクライナ側にとっては侵略する相手を信用するのは無理な話だろう。

　アメリカ側は多額の支援に対するウクライナの「感謝」が足りないとも主張。3日、すべての軍事支援の停止を表明した。

　アメリカ側の態度は、国内への支持者に向けたアピールの側面が強いだろう。一方で、この内向きの姿勢と友好国への不寛容さは、もはやアメリカが世界のリーダーではないことを印象づけた。

　リーダーがいない世界はどこに向かっていくのだろう。暗い気持ちなった。(法)