贈り物が相手にどのように作用するかは日…
贈り物が相手にどのように作用するかは日頃の付き合いや利害関係次第だろう。受け取る側の金銭感覚もその一つ。
ロッキード事件で逮捕された田中角栄元首相は金を渡すのが非常にうまかったといわれる。ポイントは相手の思う相場より多く渡すこと。少ないとかえってマイナスだと語っていたという。できるだけ多くの人間に渡せとも。
さて10万円分の商品券は相場に照らして多いか少ないか。庶民感覚では明らかに多いが、自民党の相場では当たり前の額なのだろう。
石破茂首相の事務所が衆院1期生との会食に際して配った10万円分の商品券。全員が返却したというから、行為の結果は最悪で、「生きた金」にならなかったことは間違いない。
石破首相は土産代わりだったとするが、不思議なのは会食前に秘書が各議員の事務所を訪ねて配布したことで、土産が先に届く会食というのもあまり聞かない。
参院予算委の首相答弁によると「世間の感覚と乖離(かいり)した部分が大きかった」という。施政方針に掲げた「楽しい日本」。これも乖離しているように思えるのだが。 (増)