トランプ大統領の政策と日本への影響探る 共同通信社の太田編集委員が講演 - 奈良新聞政経懇話会など合同例会

製造業、輸出を直撃も
奈良新聞政経懇話会・新生奈良研究会・阪奈政経文化懇話会・現代奈良研究会・なら21くらぶの2025年3月合同例会が18日、奈良市高畑町の奈良ホテルで開かれ、共同通信社の太田昌克編集委員が「トランプ2・0と日本の政治・外交・経済」をテーマに講演した。太田氏は1月に第2次政権が発足した米国のトランプ大統領の政策について、「関税強化や移民排斥による賃金上昇で物価が上がる。年内にも米国の景気が後退するとの懸念もあり、それは日本の製造業に跳ね返る」との見通しを語った。
太田氏は、第1次トランプ政権で大統領補佐官を務めたジョン・ボルトン氏へのインタビューの内容を紹介し、「関税は自国の消費者の購買意欲を落とす。それをトランプ氏は理解しない。良いものだとの考え、2期目も続ける」と説明。
わが国の経済への影響については「米国は関税が原因でインフレが起きる。その結果、購買意欲は下がる。日本の輸出品の需要も減るだろう」と分析した。
さらに「米金利は下げられず、日本は利上げを見送るとの見方がある。円安ドル高基調は簡単に変わらない。日本は円安物価高の心配をしなければならない」との懸念を示し、「関税強化を、どう緩和するかが日本政府の課題だ」と強調した。
冒頭、あいさつした奈良新聞社の田中篤則社長は、「トランプ政権は焦って政策をやっているが、本当に功を奏するのかあやしい。日本経済に影響が出るのであれば人ごとではない」と述べた。
この日は会員ら44人が参加。講演後の懇親会では、県信用保証協会の村井浩会長の音頭で乾杯し、太田氏と参加者が交流を深めた。
