今年の漢字が「金」と発表された。今度で…
今年の漢字が「金」と発表された。今度で5回目だそうで、過去にもオリンピックが開催された年に選ばれ、金メダルの感動が大きい。
今年1年を象徴するという意味ではそうなのだが、そのまま共感するには、慣れてしまった感がある。「今年はどんな漢字か」と楽しみにしていただけに物足りなさがある。
たしかに金メダルラッシュに日本中が興奮したことは間違いない。大リーグの大谷翔平選手の活躍も金だし、佐渡の金山が世界遺産登録されたこともめでたい。
同時に忘れてはならないのが「裏金」問題の金だ。わが世の春を謳歌(おうか)してきた自民党が大敗し、しかも与党全体でも過半数割れした。
こちらは「きん」ではなく「かね」だ。少数与党で政権交代はなかったものの、開会中の臨時国会を観れば分かるように、厳しい対応が迫られている。
週明けには、政倫審に出席して弁明するという議員も多いようだが、それで幕引きになるものでもない。形式的な弁明なら聞いても同じだ。なぜ今ごろの出席となったのか。新たな事実や責任の取り方が問われる。(治)