私たちがまだ「戦後」から脱し切れていないことを…
私たちがまだ「戦後」から脱し切れていないことを確認させられた。課題は歴史観(歴史認識)であることが、改めて浮上した。
自民党の西田昌司参院議員(京都選挙区)が先日、那覇市で講演。1945年の沖縄戦で動員された学生らを慰霊する「ひめゆりの塔」には「歴史の書き換え」があるなどと述べた。
この発言をめぐって批判の声が上がった。西田氏は、いったんは発言を撤回しないとしていたが、9日の記者会見で撤回・謝罪した。
だが、これで終わらない。西田氏は、講演発言の反省点はTPO(時、場所、場面)を誤まったことだと説明。自分の歴史観や発言の趣旨そのものは正当だと主張した。
西田氏の歴史観によると、戦後の沖縄では間違った歴史教育(親米反日教育)が行われていたということになるらしいが、ここも論議となるところ。
歴史観をめぐって論議は深められなければならない。相互理解が得られなければ「ねじれ」は解消できない。沖縄県民が「屈辱の日」と呼んできた1952年4月28日(サンフランシスコ平和条約の発効日)が基点の一つだ。(北)