政治

奈良県大和郡山市「近鉄郡山駅周辺整備事業」 店舗付き公共駐車場の共同事業者、公募開始 来月参加受け付け、計画の遅れは免れず

関連ワード:

26年度には解体され新たな複合施設として再整備される駅前商業施設「アスモ大和郡山」

 奈良県大和郡山市が県、近鉄とともに2032年度の開業を目指して整備を進める「近鉄郡山駅周辺整備事業」。市は同駅舎の移設計画に伴い解体される公共駐車場「市立三の丸駐車場」(約380台収容)に代わり、同駅前に整備される店舗付き公共駐車場の共同事業者の募集を、公募型プロポーザルでこのたび開始した。

 

 市は建て替えが決まった商業施設「アスモ大和郡山」の跡地を利用して、28年度にオープンする新たな複合施設の上層階に公共駐車場(約200台収容)を設ける計画を昨年度発表。同複合施設を所有管理する日本アシスト(大阪市、阿古秀典社長)と基本協定を昨年10月に締結するなど準備を進めてきたが、今年2月に同社は燃料費など物価高騰の影響から事業性を保てないことを理由に事業からの撤退を表明。用地は市が取得するという条件はそのままに、昨年度末で同社との協定を解約していた。

 

 新たな複合施設にはスーパーマーケットをはじめ、中層階には遊び場、子育て広場、一時預かりなどの機能を備えた「子育て世代活動支援センター」(約600~800平方メートル)がテナントとして入る予定で、建物については民間事業者が建設し専用部分の維持管理を行う。また店舗部分の土地代については民間事業者が市へ支払う形の定期借地権を設定する。

 

 事業者の参加表明は6月2日から27日まで受け付ける。事業計画のプレゼンテーション(発表)など、11月の基本協定締結に向けた審査が今後進められていく流れだ。 

 

 同駅周辺は鉄道、幹線道路網などの交通基盤が充実し、同市の玄関口として人流の起点となるエリア。市はにぎわい創出、回遊性、歩行者の安全確保、官民連携などを重点課題に置いて事業全体の基本計画を策定するなど、基本設計の着手に向けた準備を進めている。

 

 今回のプロポーザル実施について、市まちづくり戦略課は「事業全体に及ぼす影響はない」とするが、審議期間を考えれば当初から半年以上のスケジュールの遅れは否めない。

 

 上田清市長は「事業計画の変更はせず、市民の期待に応えるべく実現に向け尽力していく」と話している。

(川田悠紀雄)

 

こちらの記事も読まれています

特集記事

人気記事

  • ならリビング.com
  • GOOD INNOVATION LAB コピーライター講座
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • 47CLUB
  • 特選ホームページガイド