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音羽山観音寺後藤住職の花だより - 念珠の話「念を込めて拝めばお守りにも」

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念珠を手に笑顔の住職

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 山の木も葉を落とし、すっかり冬の風景になった、1月初旬の奈良県桜井市にある音羽山観音寺は標高600mの所にあります。この日の屋外の気温は1℃程度。さすがに参拝者もありません。「ストーブを2台つけて、やっと15℃ぐらいになるのよ」という寒さに、ストーブを2台たいている台所で後藤密榮住職に話を聞きました。

 

 住職はいつも念珠をつけてます。最近はブレスレットのように念珠をしている人もよく見かけますが、改めて念珠とは何なのかが気になり、住職に聞きました。

 

 住職は分厚い本を持って来て、見ながら教えてくれました。

 

 「仏様に礼拝し、両手で一心に読経する時に用いる」のが念珠です。実際に使う際の意味もあるそうで…。

 

 「元々は数取りに作られたのよ」

 

と住職。数取りとは何でしょうか?

 

 宗派によって珠の数や房の付け方は違いますが、珠の数は煩悩の数とされる108個、その半分の54個。さらに半分の27個のものは、市販されている片手念珠として使われることが多いようです。

 

 ご真言やお念仏を唱える時に親玉の隣の珠から数えて、何回唱えたかを数えます。住職が持っている数珠では、7つ同じ珠が続いた次に少し小さめの珠があり、その次は14個同じ珠が続いた次に違う珠がついていて、7回や21回を数えられるようになっているそう。それを数取りというようです。ご真言であれば、護摩をたく時など100回唱えることもあり、そんな時に使われます。

 

 法事などでも目にする念珠ですが、そんな使われ方をされているとは知りませんでした。

 

 「今は念を込めて拝めば、自分のお守りになるという考えで使う人も多いけどね」

 

 珠も、観音寺の融通念仏宗はハスの実を使うとされていますが、菩提樹や黒檀などの木のほか、水晶やメノウなどの天然石で作られることもあります。

 

 住職も、お勤めで使う念珠のほか、腕念珠も持っており、常に付けているそうです。

 

 普段用やお出かけ用があるそう。

 

 「重いからね」

 

 お出かけ用は少し軽めのようですね。

 

 

 台所には、石油ストーブのほか、薪ストーブも置かれています。

 

 「薪ストーブを入れると19℃にはなるんだけどね。外の枯れた葉が乾燥しているから、雨が降るのを待っているのよ」とのこと。

 

 薪ストーブから煙突が外に出ています。冬の乾燥した空気では、万が一でも草木に火花が飛び散ると大変なことになります。

 

 オサムの近くには、お正月に準備してもらったという薪が出番を待っていました。

 

 

 

音羽山観音寺

山の中にある尼寺。桜井市南音羽。

JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。

火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門

※2月末まで冬季閉門しています。

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