歴史文化

【深掘り】立体展示で迫る実態 家形埴輪の世界観再現 - 橿考研博物館で特別展

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宮山古墳の家形埴輪の配置をイメージ的に再現した展示=橿原市畝傍町の県立橿原考古学研究所付属博物館

 奈良県橿原市畝傍町の県立橿原考古学研究所(橿考研)付属博物館で、古墳時代に古墳の上に並べられた家形埴輪(はにわ)を主役にした春季特別展「家形埴輪の世界」が開かれている。展示を担当した橿考研の青柳泰介学芸係長によると、家形埴輪を全国的視野で取り上げた初の展覧会。不明な点が多かった家形埴輪の実態を探っている。(竹内稔人)

 

 

進まなかった家形埴輪の研究

 家形埴輪が考古学の世界で認識されるようになったのは明治時代後半ごろ。大正時代に出土品の事例が報告がされるようになり、奈良県内では桜井市出身の在野の考古学者、森本六爾(1903~36年)が家形埴輪の情報を集めた。

 

 昭和時代になり群馬県伊勢崎市の赤堀茶臼山古墳や同県藤岡市の白石稲荷山古墳の調査を通して、考古学者の後藤守一(1888~1960年)が家形埴輪を研究。ただその後は個別の報告にとどまり、まとまった研究は進まなかったという。

 

 

並び立つ日本最大と東日本最大

 今回の特別展では奈良を中心に京都、大阪、栃木、群馬、宮崎の53遺跡から出土した家形埴輪60棟を展示。時期順にずらりと並べ、製作技法の変遷を追いながら家形埴輪の世界観に迫っている。

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