学校ではない学びの場 - フリースクールを知ろう【ふりがな付きニュース】
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ありのまま、受け入れて
近江八幡・Since
いろいろな理由で学校に行けなかったり、行かなかったりする不登校の子どもが増えています。2022年度の国の調査で30日以上小中学校を休んだのは、これまでで最も多い約30万人でした。学校ではない「フリースクール」という場所で、勉強をしたり活動したりしてすごす子どもも多くなっています。
大津市のフリースクールで過ごす子どもら=2023年11月
フリースクールでは、学校のように国のルールで決められた内容の授業をするのではなく、どのような勉強や活動をするかはそれぞれのフリースクールが考えます。週に何回通うのか、どのようにすごすのかなど、子どもがスタッフと相談しながら決めることもできます。
学校に行きづらい子どもがいるお父さんやお母さんや、昔不登校だった子が大人になって「こんな場所があったらいいのに」という思いで始めたフリースクールもたくさんあります。
滋賀県近江八幡市のフリースクール「Since」には、自分のペースで学ぶスタディーサポートや体験学習のほかに、部活動もあります。学校では同級生と話が合わなかったという小学6年の男の子は検定部に入っていて「卒業するまでに英検準2級を取るのが目標」とはり切っていました。
フリースクール「Since」の検定部での活動の様子=2023年11月、滋賀県近江八幡市
中学2年のときに不登校となり、Sinceをつくった麻生知宏さん(25)は「ここではありのままの子どもたちを受け止めます。多くの出会いや経験を通して、生きる力をつけてほしい」と話していました。
フリースクール「Since」の検定部での活動。左は麻生知宏さん=2023年11月、滋賀県近江八幡市
不登校の子どもを助けるため、国も「教育機会確保法」という法律をつくり、学校以外にも学びの場があることが大事だと考えています。フリースクールに通うと、学校に出席していることになる場合もあります。
思い思いに過ごす子ら 進路も多様に
大津・トライアンフ
大津市のフリースクール「大津オルタナティブスクール トライアンフ」は午前10時から始まりますが、遅れて来てもいいです。今は小学3年~高校1年の20人ほどが通っています。中学を卒業した後は通信制の高校に行く子が多く、さらに大学に進んだり、外国へ留学をしたりと進路はいろいろです。
庭にはピザ窯と畑があります。昨年12月のある日は、庭で火をおこす練習をしている子もいれば、まきわりをしている子もいました。部屋の中では絵を描いたり、友だちとゲームをしたり、思い思いの時間をすごしていました。
フリースクール「大津オルタナティブスクール トライアンフ」=2023年12月、大津市
トライアンフを運営する谷川知さん(57)は「ここは子どもが元気になるための空間」と言います。お父さんやお母さんも谷川さんと話をして明るい顔で帰っていきました。親にとってもフリースクールは大切な場所となっているのです。
フリースクール「大津オルタナティブスクール トライアンフ」を運営する谷川知さん=2023年12月、大津市
🖊考えてみよう~家族や先生、友だちと話し合ってみるのも良いですね~
不登校は今、みんなの身近なことになっています。この記事を読んで感じたことや、フリースクールについてもっと知りたいことなど、話し合ってみましょう。