OSK日本歌劇団「レビュー in Kyoto」4月上演 翼和希トップ就任記念 - OSK新時代、南座から躍動【後編】

ОSK日本歌劇団は4月25~29日、京都南座(京都市東山区)で「レビュー in Kyoto」(北林佐和子作・演出)を上演する。同公演は、NHK連続テレビ小説「ブギウギ」出演でも注目を集めた翼和希のトップスター就任記念公演。南座近くの八坂神社(京都市東山区)で、翼と娘役トップスター千咲えみ、男役スター華月奏と椿りょう、娘役スターの唯城ありすの出席で行われた取材会の様子を【前編】(https://www.nara-np.co.jp/news/20250318063855.html)に続いてレポートする。
トップスターはOSKの『玄関』
トップ就任から約半年の思いを語る翼🌸 (🌸の写真は藤井博信=日本写真家協会会員=が撮影)
「ОSKのトップスターは、ОSKに興味を持って下さった方、まだОSKをご存じない方に対しての『玄関』にならなければ」という翼。昨年9月の就任以来、メディアの取材などさまざまな機会を通して「(『玄関』としての役割を)ジワジワ実感している」という。「歌劇を観てみたいけど…と躊躇(ちゅうちょ)されている方の背中をそっと押して、すっと沼に引きずり込む役目ができたら」とユーモアたっぷりにアピールした。
温かくてエネルギッシュなトップさん
取材会では、出席者それぞれが『トップスター翼和希』を語る場面もあった。
『トップスター翼』の印像を語る千咲🌸
千咲 持ち前の明るさと自然に出る関西弁。一瞬で温かい、明るい空気にするのがすごいなぁと思っています。初めてお会いする方も、一瞬で心をつかんでいくような…。『心地良く温かいプレゼントをするトップさん』かなぁと思います。
翼への思いを語る華月🌸
華月 頑張り屋さんで負けず嫌い。バイタリティーにあふれているんですけど、翼の体は大丈夫かと、私も常に心配しております。取材対応なども含め、全部を頑張りたい子だと思うので、私たちのもとに戻ってきた時は、少しでも心を休められるように。翼がしっかり頑張れるように、私たちみんなで支えたいと思います。
トップスターの光を頼りに「走ってついて行きたい」と語る椿🌸
椿 (トップスター就任前から)常に前を向いていて、エネルギッシュでパワフルで。トップスターに就任されてからは、さらにキラキラ、キラキラ輝く光が翼さんのまわりから放たれている気がします。その光を頼りに私たちも一生懸命、走ってついて行きたいです。
「パワフルな翼さんに遅れを取らないよう、頑張りたい」という唯城🌸
唯城 5歩進んでおられる翼さんに追いつこうと思ったら、もう10歩先を歩いていらっしゃる。トップさんになられる前から、ずっとそんな方です。私たちも遅れを取らないように、時には「翼さん、こっちですよ」って言えるくらいに頑張れたらいいな、と思っております。
頼もしい「相方」との絆
千咲は前トップスター楊琳の就任時から、楊が舞美りらと同時退団する2024年8月まで、舞美と2人で娘役トップスターを務めてきた。単独の娘役トップとなった現在の思いを問われた千咲は「楊さんと舞美さんがご卒業を決められてから不安な思いが大きかったのですが、幸せなことに同期の翼が横にいてくれます。そして、心強いメンバーがたくさんいます。今は不安はなく、よーし、みんなで頑張ろう!! という気持ち」と意気込みを語った。
翼(左)と千咲は強い絆で結ばれた同期コンビ🌸
そして、研修生時代から15年、共に歩んできた千咲とのトップコンビについて翼は「歌劇では娘役さんのことを相手役と表現することがありますが、千咲に相手役は何かしっくりこない。しっくりきたのは『相方』でした」と話す。「2人で肩組んで二人三脚で一緒に走ってきた、そんな感覚から生まれるエネルギーがある」という。
翼はさらに「15年培ってきた積み重ねがあるから、(舞台上で)何か起きた時も『あうんの呼吸』で対応できる。なんて心強いんだろうと思っています」と同期の絆で結ばれた『相方』への信頼を口にした。
生命力、生きる力を届けたい
今回の演目『レゼル Les Ailes~南座バージョン』は『翼』をモチーフに展開するドラマティックなレビューショー。レポートの締めくくりに、それぞれが語る公演の見どころを紹介する。
唯城 翼さんが羽根の中から生まれてこられるオープニングが感動的で大好きです。(北林)佐和子先生の思いが詰まった作品なんだな、とすごく感じます。
羽根扇の中から翼が登場するオープニング(国内外を巡る『レゼル Les Ailes』より)
椿 南座公演のために新たにつくられた『ヤマトタケル白鳥伝説』の場面で、翼さんがヤマトタケル役をされるのですが、私は黒鳥役をさせていただきます。私、南座では人外役(じんがいやく=人間ではない役)が結構、多いのですが、今回も、より黒鳥らしい演技を皆さまにご披露できるよう研究しているところです。
公演の見どころを語り合う(左から)唯城、華月、翼、千咲、椿🌸
華月 タイトルのとおり、翼和希の『翼』をはじめ、いろいろな『翼』がちりばめられた作品です。南座で追加になる場面はもちろん、あんな『翼』、こんな『翼』、というのを見ていただけるんじゃないかな、と思います。
和気あいあいと進んだ取材会。(左から)華月、翼🌸
千咲 今、世界では戦争など悲しいことが起きています。この作品について佐和子先生から初めてご説明いただいた時、ラテンの場面の歌詞に、そんな世界への祈りや願いが込められていることをお聞きしました。国内外の方に見ていただいて、その願いが世界に広がっていったら良いな、と思います。そして、人数も増え、新しくなるラインダンスもぜひ、見ていただきたいです。
翼 皆さまに私たちのエネルギーをナマで感じていただきたい、という気持ちが大きいです。OSKの魅力である生命力、生きる力というものは、(103年の歴史の中で幾度も危機を乗り越えてきた)紆余曲折の歴史の賜物だと思っております。私自身が初めてOSKを観た時に感じたエネルギー、それを、私たちからお客さまへ、熱く! 暑苦しいくらいに熱く!! お届けできるよう、模索を続けていきます。
「レビュー in Kyoto」への決意を語る翼(中央)🌸
~~OSK日本歌劇団「レビュー in Kyoto」~~
4月25~29日。午前の部=11時30分開演、午後の部=15時開演。1等席8500円、2等席5500円。
チケットホン松竹=電話06(6530)0333、チケットWeb松竹=https://www1.ticket-web-shochiku.com/t/ で受け付け。