歴史文化

芸術村でユネスコ文化遺産セミナー 高松塚古墳の構築手順紹介「当時の最高峰技術」

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高松塚古墳の調査研究の現状などについて講演した奈良文化財研究所都城発掘調査部考古学第一研究室の広瀬室長=29日、天理市杣之内町のなら歴史芸術文化村 

 ユネスコ・アジア文化センター文化遺産保護協力事務所(ACCU奈良)の文化遺産セミナー2022「高松塚古墳と東アジアの交流―調査研究の最前線から―」が29日、奈良県天理市杣之内町のなら歴史芸術文化村で開かれ、県民ら約150人が参加した。

 

 昨年6月、県と地元自治体が高松塚古墳などを構成資産とする「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の世界遺産登録に向けた推薦書を文化庁に提出。早期登録に向けた取り組みが進められている。 

 

 同事務所の森本晋所長のあいさつの後、県文化資源活用課世界遺産係の持田大輔主査が、世界遺産登録に向けての取り組みを動画などで紹介した。

 

 続いて、国立文化財機構奈良文化財研究所都城発掘調査部(飛鳥・藤原地区)考古第一研究室の広瀬覚室長が、高松塚古墳の調査研究の現状などについて講演した。

 

 広瀬室長は、石室解体事業に伴う発掘調査で判明した同古墳の構築手順や技術について解説。「版築工法や石材加工、測量など当時の最高峰の技術が用いられている。これは東アジアとの交流のなかで、百済経由で伝わった技術とみられる」との見解を示した。

 

 同古墳の築造は7世紀末から8世紀初頭とされているが、広瀬室長は「律令国家の天皇陵のあり方が模索されていた時期の国家的造営事業。8世紀初頭としてもよいのでは」と述べ、「埋葬者は天皇ではないが、それに準ずる最重要人物と考えられる」と強調した。

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