「非常に遺憾」。県内の首長が知事に対し…
「非常に遺憾」。県内の首長が知事に対してこのように強く憤りを発することは少ないだろう。県が事業中止を決めた大規模広域防災拠点の整備事業で、山下真知事は五條市の予定地にメガソーラーを設置すると明らかにした。
平岡清司市長によると、県から地元に「関西地区で最大級のメガソーラー設備」と説明があったという。
太陽光パネルには鉛やカドミウムなどの有害物質が使われている場合があり、災害で破損したり水に漬かったりした場合は取り扱いに注意が必要とされる。
大災害時に物資輸送や救助活動の拠点になると聞かされていた土地にメガソーラーができるとなれば、地元が憤りを覚えるのは当然だ。土地を手放した住民であればなおさらだろう。
県はヘリポートも設けるとしているが、平時の活用はないといい、予定していた県消防学校の移転や京奈和自動車道と結ぶ道路の建設も消えた。
平岡市長は計画変更を聞いたコメントの中で「子や孫の、また、たくさんの人の命を救うためならば」と土地提供に協力した住民の思いを代弁した。県は丁寧な説明が必要だ。(増)