紀元前の中国春秋戦国時代といえば日本の縄文時代の末期、弥生時代の初めにあたる。分裂した魏などの国が数百年にわたって争った。

　父祖以来の宿敵同士で38年も戦ったという「呉」と「越」の国の人が、同じ舟に乗り合わせたとしたら、嵐に遭ったときは互いに助け合うという、「呉越同舟」の故事がある。

　出典は「孫子」で、日本人にはよく知られた熟語だ。16日から始まる9月定例議会を前に、県議会の自民党系会派のドタバタ劇を見て故事を思い出した次第だ。

　党県連幹事長など要職を独占する会派が分裂し、退会者と他会派のメンバーとで、新会派「自民党倭」を発足させ、6人の第2会派になった。

　最大会派から転落した幹事長会派も巻き返し、議長選などで連携してきた他の会派と合流して9人の第1会派に戻った。現党県幹事長と元県社会党副委員長が一緒になった。

　たまたま奥野信亮県連会長が辞任するが、同じく9人の最大会派「自民党」との合流に向けたチャンスのはずだ。呉越同舟の本来の意味からすれば、そちらにかじを取るべきではないか。(治)