心を込めて色とりどり 薬師寺花会式を前に、奈良市の民家で造花作り

25日から奈良市西ノ京町の薬師寺で営まれる修二会(花会式)を前に、金堂の本尊薬師三尊に供える造花作りが進んでいる。
造花は10種類あり、同市内の民家2軒が制作。同市菩提山町の橋本真智子さん(66)宅では、ボタンやツバキ、ヤマブキなど6種類約900本を担当する。大正時代から4代続く造花作りで、座敷には心を込めて作った色とりどりの花が咲き誇る。
前年の花会式が終わると橋本さんら家族3人で作業を開始。赤や白、黄など色鮮やかな和紙を型に当てて切り取り、竹やタラの芯を軸に重ねてのり付けする。和紙を染め、竹を加工する工程から全て手作業。手のひらや指先を使う仕事は見た目より力が必要という。
橋本さんは「大変な作業だが出来上がりが楽しみ。皆さんが喜んでくださるとうれしい」と話した。
同寺の修二会は練行衆(れんぎょうしゅう)と呼ばれる10人の僧が、7日間にわたって日夜厳しい行を続ける。