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音羽山観音寺後藤住職の花だより - 住職お手製の寒麹 「ハクサイともみ込んでもおいしいよ」

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「ハクサイを切り昆布とトウガラシを一緒に袋に入れてもみ込んでもおいしいよ」と寒麹を持った住職

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 1月初旬の奈良県桜井市にある音羽山観音寺。寒さの厳しいこの日は、ストーブを2台つけた台所で後藤住職と話が弾みました。

 

 記者の持って行った生活情報紙「ならリビング」紙面を見ながら、話題は、住職が作る「寒麹」の話になりました。

 

 住職が手作りするジャムや香草塩など、住職の庭でできた植物やお供え物などを使って作られる加工品は、まごころ便として販売されています。その中でも人気の品が「寒麹」。寒い時期に仕込み、3カ月以上熟成させるため、春、夏野菜の種をまくころには食べられます。1日1回混ぜないと、固くなるそうです。

 

 「もうすぐ作らないと。大きな容器4つ分作るのよ」

 

 寒い玄関先から避難してきたシクラメンが置かれているガス台の横に、一升炊きの釜が置かれています。

 

 「もち米一升、砂糖2kg、塩1.5kg、麹600gの割合が基本よ」

 

 レシピは公開していますが、観音寺ではこの分量の4倍を一度に作るそう。常温で一年以上はもちます。

 

 「もち米3升炊ける釜があるのよ。それと合わせて4升ね」

 

 住職自身、20年以上前に信者さんから教わった作り方だそう。

 

 「おいしかったから、次の年から作り始めたの」

 

 最初のころは、精進料理を提供する時に出していたぐらいだったとのこと。今は、まごころ便でも人気で毎回入れているため、昨年は途中でなくなって秋にもう一度作ったそうです。

 

 「その時、砂糖が途中でなくなっちゃって。代わりにキビ砂糖を入れたのよ。少し黄色くなったかしら。でも味はまろやかになったわ」

 

 確かに、砂糖8kgはかなりの量です。足りなくても何かを代わりに…というところが住職らしいですね。

 

 寒さも厳しくなかなか外に出るには勇気がいりますが、冬の夕暮れは早く、記者も帰る時間が近づき住職と一緒に庭に。

 

 この日は年越しの除夜の鐘の話を聞いたため、釣り鐘堂のところで立ち止まりました。

 

 観音寺では住職が朝6時と夕方18時に鐘をつきます。この季節の朝6時は真っ暗です。時間は決まっているのかと思いましたが、

 

 「私が決めたのよ」

 

と住職。5時についている寺も多いですが、外出した時に夕方17時に戻れないこともあるため、6時と18時に決めたそうです。

 

 「少し湿気がある日の方が遠くまで聞こえるみたい。下の駐車場までは聞こえるわね」

 

 まさに「山のお寺の鐘が鳴る」ですね。

 

 

 

音羽山観音寺

山の中にある尼寺。桜井市南音羽。

JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。

火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門

※2月末まで冬季閉門しています

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