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音羽山観音寺後藤住職の花だより - 寒さの厳しい観音寺「胡蝶蘭がひと晩で凍っちゃった」

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夏ごろから咲いているというフクシヤと住職

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 年が明けて初めて登る1月初旬の奈良県桜井市にある音羽山観音寺。朝からふもとでは雪が散らついていましたが、登り始めるころには晴れ間ものぞく穏やかな冬の一日に。標高600mの場所にある観音寺には本格的な冬が訪れています。

 

 この日は、いつも話を聞く無量庵は「どれだけストーブをつけても暖まらないわ」と、ストーブを2台たいた台所で、後藤密榮住職に話を聞きました。

 

 「花だより」というタイトルのコーナーのため、何かの花の話を聞けないかと思いましたが…。

 

 「庭に花はないわね。そこにシクラメンはあるけど」

 

 確かに、話をしている横に鉢植えのシクラメンが置かれていますが、どこか違和感があります。

 

 「ガス台の上に避難しているの。10~20℃の所に置かないとダメなんだって」

 

 玄関の中でも、温度計は4℃を示しています。玄関から台所に避難しているようですね。

 

 シクラメンは冬の花で寒さに強いのかと思いましたが、

 

 「寒さに強い子と弱い子がいるのよ」とのこと。

 

 「秋にもらった胡蝶蘭を玄関に置いておいたら、ひと晩で凍っちゃった。家の中でもマイナスになるのよ」

 

 前回の取材の時に聞いた、「ここでは凍ってはダメなものを冷蔵庫に入れておくの」という住職の言葉を思い出しました。

 

 寒いながらも庭に出て、咲いている花を探しました。

 

 お葉付きイチョウをはじめほとんどの木々が葉も落とし、すっかり冬の景色に変わった住職の庭です。茶色い風景の中に、赤と濃い紫が印象的な花があります。確か、数か月前の取材の時にも見た覚えがあります。

 

 「フクシヤね。長く咲くのよ。やっとここの寒さに慣れてきたわね」

 

 夏ごろから咲いているそう。もうひとつ、ひと月前の取材のときも見た、中の実は食べられているというマユミが、まだピンク色の皮を残しています。その奥に養蜂箱がありますが…。

 

 「ここも逃げられちゃったのよ」

 

 唯一残っていた養蜂箱のはずです。

 

 「夏の暑さに負けたかな。巣が元気だと、ミツバチもスムシをやっつけようってなるけど、弱っていたから『逃げようか。そうしよう』って相談して逃げたんだわ」

 

 昨年の夏の暑さは観音寺でも異常だったようです。

 

 「4月か5月には分蜂して帰って来るかもしれないから、それまでに巣を掃除しないとね」

 

 春が待ち遠しい住職です。 

 

 

 

音羽山観音寺

山の中にある尼寺。桜井市南音羽。

JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。

火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門

※2月末まで冬季閉門しています。

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