奈良市クリーンセンター建設、見えぬ移転への道筋

移転への道筋がなかなか見えない奈良市のクリーンセンター(ごみ処理施設)。発端は2005年12月に現・市環境清美工場(同市左京5丁目)の移転などを求めた周辺住民らの「公害調停申請人の会」と、市との間で公害調停が成立したことにさかのぼる。以来、市は申請人の会のメンバーも加わる「市クリーンセンター建設計画策定委員会」とともに移転事業に取り組んできたが、長く低迷する移転問題に市や市議会の中からも「現地建て替えしかないのでは」との声も漏れる。ただ、公害調停締結には法的位置付けもあり、簡単に飛び越えることはできない。14日の市議会9月の定例会で、仲川元庸市長も「市が一方的に調停条項を破棄すれば差し止め訴訟を提起される可能性が高い」などリスクを示し、「現地建て替えの判断は大変難しい」と述べた。