豪華な宝物と義経 奈良市(2)春日大社 - 奈良に息づく義経伝説【10】

天皇や上皇、関白の崇敬があつく、平安時代以降に奉納された多くの宝物が残ることから「平安の正倉院」ともいわれる春日大社(奈良市)。貴重な神宝の数々の中に源義経が奉納したと伝わるものがある。その一つが「赤糸威大鎧(竹虎雀飾)=あかいとおどしおおよろい・たけとらすずめかざり=」。日本の甲冑(かっちゅう)史上、最も豪華な鎧とされるものだ。

(春日大社国宝殿の秋季特別展「金工の美」=会期は12月13日まで=で撮影)
もう一つが「籠手(こて)」。もとは興福寺(同市)の勧修坊(かじゅうぼう)に伝わったもので、兄頼朝に追われた義経が同坊に残したという伝承があることから「義経籠手」とも呼ばれる。