静御前が舞った白拍子舞 大和高田市 - 奈良に息づく義経伝説【8】

源義経が愛した静御前ゆかりの伝承が多く残るのは奈良県大和高田市。全国にさまざまな説があるものの、地元では静の母礒野(いその)禅尼の故郷が同市礒野で、静が余生を送った地だといわれている。
市中央部、大中公園に建立されているのが「静御前記念碑」。石碑には静の有名な句「しづやしづ 賤(しづ)のおだまき繰り返し昔を今になすよしもがな」を刻む。自らの名前を「しづ」に掛け、「昔を今に戻したい」と義経を恋い慕って詠んだものだ。
吉野山(奈良県吉野町)で義経と別れた末に捕らえられ、鎌倉(神奈川県鎌倉市)へ送られた静。義経の兄頼朝から鶴岡八幡宮で舞うように命じられ、「吉野山峰の白雪踏み分けて入りにし人の跡ぞ恋しき」とともに詠んで舞ったのが上の句だった。
