5年ぶりの通常開催となった高円山の「奈良…
5年ぶりの通常開催となった高円山の「奈良大文字送り火」が15日、終わった。戦没者の慰霊と世界平和を祈る行事だが、個人的にはお盆に迎えた祖霊の送り火に感じている。
普段離れ離れの身内が集える期間でもあるお盆だが、今年は直前に南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表された。いつも通りでなかった人もいたことだろう。
注意期間中の1週間、口にされなくなった「遠くの親戚より近くの他人」との言葉が浮かんだ。自宅マンションの同階に、親交ある一人暮らしの高齢女性がいるからで、地震発生時には手助けをと家族で申し合わせていた。
先日は取材先で、昭和世代の男性の嘆きを聞いた。携帯端末で遠くの人々と接点を持つのに、隣人の顔が分からない人が多い世の中はいかがなものかと。
年中行事は家族や親類、地域とのつながり、平和のありがたさを気付かせてくれる。今回の注意情報は、自分と近隣の人々との関係を思い直すきっかけにもなった。
先祖供養とともに懐かしい笑顔に会えるのはうれしい。同様に喜び合える人は存外近くにいたりする。(智)