「女竹」担ぎ奈良の唐招提寺を練り歩く 三重・名張の市民団体が奉納 「うちわまき」の宝扇材料に
三重県名張市の市民団体「唐招提寺に竹を送る会」(奥西勲会長)が19日、奈良市五条町の同寺に女竹(めだけ)を奉納した。「うちわまき」として知られる伝統行事「中興忌梵網会」で使うハート型のうちわ「宝扇」の材料となる。
名張市は同寺の西山明彦・前長老の出身地で、歴史的に寺とゆかりがある縁で2011年から同団体が毎年奉納。今年は、18日までに会員らが採取した長さ約3~4メートルの女竹約1600本を準備した。
会員ら約45人が女竹を担いで同寺境内を練り歩き、行事の由来となった鎌倉時代の高僧・覚盛上人の坐像が安置された中興堂に供え、岡本元興長老ら僧侶が法要を営んだ。奉納された女竹は宝扇の軸の材料となり、油抜き作業などを行った後、来年の行事で使われる。岡本長老は「今年で15年。毎年ご奉仕いただき感謝しています」と感謝。奥西会長(83)は「今年も無事に奉納できてほっとした。来年も続けていきたい」と話した。