巳年限定、木彫りのヘビ手に舞いを奉納 奈良の春日大社で「舞楽始式」
奈良市春日野町の春日大社で13日、今年の舞楽奉仕の無事を祈念する「舞楽始式(ぶがくはじめしき)」が行われた。
本殿前の林檎(りんご)の庭で、南都楽所(なんとがくそ)の雅楽に合わせて舞楽を奉納。鉾(ほこ)を振るいながら舞う「振鉾(えんぶ)三節」や4人が呼吸を合わせて舞う「萬歳楽(まんざいらく)」が披露された。
今年は巳(み)年にちなみ、金色の木彫りのヘビを手にして舞う「還城楽(げんじょうらく)」が特別に奉納された。中国から伝わった唐楽の一つで、舞楽始式では12年ごとの巳年にだけ奉納される。
唐の玄宗皇帝が夜半に城に帰還する姿を舞にしたとも、蛇を好んで食べる「胡国」の人がヘビを見つけて喜ぶ様子とも伝えられる。参拝者は古式ゆかしい神事と舞を見守った。