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ダイモンジソウが満開 「勝手に種を飛ばして増えるの」 - 音羽山観音寺後藤住職の花だより

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黄葉し始めたブルーベリーの木の前で

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 前任の記者から引継いで、奈良県桜井市にある尼寺「音羽山観音寺」の後藤密榮住職に話を聞き始めて、いつの間にか半年以上が過ぎていました。秋の深まりとともに参道もひんやりと、でもさすがに約30分の山道を登ると心地よい汗をかきました。

 

 寺までの参道や本堂に続く階段の脇では、初めのころの取材で教わったマムシグサが赤い実を付け始めていました。今年はギンナンはお休みだったというお葉付きイチョウも、外側から少しずつ色づき始めています。

 

 寺にたどり着くと、玄関の中ではスズムシが少し前回よりおとなしく感じるものの、まだ鳴いていました。

 

 「フジバカマも白っぽくなっちゃったわね。『もうお手上げ』ってね」

 

 前回訪れた時、ちょうどフジバカマが鮮やかなピンク色に住職の庭を彩っていましたが、何とか咲いているものの、全体的に白くなっています。

 

 「つぼみのころがピンクが濃くて一番きれいね。花が咲かないとアサギマダラは来ないけど」

 

 アサギマダラはフジバカマが好きなチョウですが、前回はまだ来ていないと聞いていました。

 

 「あれからすぐ来たのよ。5~6羽いたかな。カマキリちゃんに『取っちゃダメよ』と言っておいたけど、羽が落ちていたから、やられちゃったみたいね」

 

 昨年は少なかったカマキリが、今年は多いようです。住職の大事な花を食べるバッタを捕るなど、観音寺にとって役に立つ虫でもありますが、チョウを捕るのはかわいそうと住職。

 

 「あちこちに卵を産んでいるのよ。ツバキの木に卵を産んでいたけど、下にハスの鉢があって。落ちた子が水につかっちゃってかわいそうだったわ」

 

 それでも住職はカマキリにも情けを掛けるようです。ススキを刈ろうとしたら穂にもカマキリの卵があり、そのススキは別の場所に移したといいます。

 

 夏に鉢植えの移動を手伝ったダイモンジソウは、ちょうど満開を迎えています。

 

 「色が微妙に違うのよ」

 

 数えられないほどの鉢に、名前の通り、確かに「大」と見える小さな花を咲かせています。最初は5鉢ほどだったそうですが、

 

 「勝手に種を飛ばしてほかの鉢に移るのよ」と住職。自然と寄せ植えが出来上がるそうです。

 

音羽山観音寺

山の中にある尼寺。桜井市南音羽。

JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。

火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門

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